作品名: Mushroomlamp(マッシュルームランプ)
設置場所:ギャラリー
製作時期:2011年~
製作期間:約3週間
コメント:
プロデューサー・デザイナーである板坂諭氏によるh220430のアート作品。
Mushroom Lampは、同じ型の作品がサンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)のパーマネントコレクションに収蔵されているそうです。
当工房の作業は、シリコン型から成型する工程からです。
透明感のある樹脂で製作し、内側にLED照明が入ります。
樹脂の成型作業も塗装も、ごまかしのきかない難易度の高い仕事です。こうしてクリエイターやアーティストの作品の製作で、お声がかかるのも、ものづくりとして光栄なことだと思います。
FRP造形で内照式のご相談は時々あるのですが、実際製作してみると多くの技術的障壁があります。
成型(ガラス繊維と樹脂を積層する作業)の際に入る小さなゴミも目立ってしまうので除去する必要があります。
そして製品表面にできるピンホール(針でつついたような小さな穴)の埋め作業。
▼小さなピンホールを見逃さないようにテープで印をつけて埋めます。
▼そして新たなピンホールが表面に出ないようにピンポイントでサンディングします。
通常のFRP造形製品の場合は、下地にサーフェーサーを塗布してピンホールを見つけやすくしてからパテうめをするのですが、内照式の場合はそのサーフェーサーを塗ると不透明になるので、サーフェーサーなしでピンホール探しをするため灯光器で光をあて、ピンホールの小さな影を見つけては埋めるのです。
▼内照の部品を設置するために内側にも加工が必要です。
▼ひたすら埋めて磨くこと数日….
▼光の透過具合を見ながら塗装します。
しかし、ここで肉眼で確認できないピンホールを発見することも…。
▼「うーん、塗料剥がして塗り直そうか・・・」という表情の四次元さん
▼一旦、塗料を全てはがして再塗装。
▼照明を点灯して、塗装ムラのチェックをします。
通常の塗装では見えない塗りムラも内照で目立ってしまうのです。
「なんとか、完成度を上げたい」とスタッフみんなで作品に挑みます。
▼照明が点灯した時と消灯した時、どちらも見栄え良く仕上げるのは至難の業です。
こうして作られた作品がギャラリーにどう展示されるのか、私はまだ、展覧会を拝見したことはないのですが、いつか行ってみたいと思います。
過去には、新宿ビームスのギャラリーでも作品展が行われたそうです。
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