日記のタイトル「スネ夫の前髪が造形師を泣かせる」とは関係ないキャラクターですが、スネ夫の前髪の話をする前に、イラストの立体化について少し書きます。
上に掲載した写真左下には、もとになったイラストが写っています。
当工房は「キャラクター製作の造形工房四次元」とうたっていますので、キャラクターは可愛く!を基本に製作します。
イラストを立体化する時の難しさは「イラストどおりに仕上げる」ことの難しさにあります。
イメージキャラクターの立体化のご注文には、ほとんどの場合、正面からのワンショットしか資料がない事も多く、側面のイラストが用意されている場合でも、前から見た姿とつじつまを合わせようとすると不自然になってしまうことも多いです。
どういうところが不自然なのか?というと、つまり、
みんなが普段から平面で見慣れている「ドラえもん」の登場人物「スネ夫」がいい例です。
スネ夫はどの角度で見ても3本に分かれた前髪があるが、3Dの世界では実現できないものであるということです。
スネ夫画像で調べても出てくる立体のスネ夫くんの前髪は原型師の苦労が垣間見える仕上がりになっています。
そういうところが、キャラクター製作の経験がものをいう点で、人が見て自然に認識できる形に仕上げるのが我々の仕事です。(偉そうに書いてますが、私は塗装担当です…)
造形屋さんは建築現場で仕事をすることもありますが、図面を見て、頭の中で立体をイメージしながら作ります。
キャラクター製作でもそれは同じです。
あとは、微妙な目、鼻、口などのパーツの位置や頬のふくらみで、愛嬌のある表情になるかどうかが決まります。
ひとそれぞれの感覚の違いはありますが、職人として製作するからには、いただいた資料をもとに、より魅力的なキャラクター人形になるように工夫して製作します。
そういうところがうまくできた時はスタッフ一同嬉しくて、小躍りしたい気分になります。
無名の町工場ですが、こうやってものづくりしていることを、少しでも知って貰えたらいいなとこのブログを書いています。
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