造形屋のこれから~#MAKERS #MakerFaireTokyo2012 #3Dプリンター

12月1日~2日、お台場の日本科学未来館で「Maker Fair Tokyo 2012」が開催されました。
クラタス@日本科学未来館3
Maker Fair Tokyo 2012を知ったのは、C.アンダーソンの「MAKERS」を読み始めて、3Dプリンター関連の情報を探したことがきっかけです。

この本は、モノづくり以外の人たちもネットで話題にするほど。
ベストセラーの著者ですから当然なのかもしれませんが、私は恥ずかしながら以前の著書は知りませんでした。
内容は、ものすごーく大ざっぱに言うと、“3Dプリンターの普及は第三次産業革命となりうる”という事です。
造形屋さんたちは 「なぬ!?」 っとなるうたい文句です。

「もしかして、造形師の仕事がなくなっちゃうぞってこと!?」
と一瞬思いますが、そんなことはないです。

しかしながら、知らん顔して見過ごせるものでもない。
今や、3Dスキャナーで人体を読み込んで、3Dプリンターでフギュアが出力できてしまう。
しかもそのフィギュアは数万円で作れてしまう時代です。(塗装は手作業のようなので、今後この手間をプリンターで解決できればもっと値段は下がると思います。)
これを、町の印刷屋さんやデザイン会社さんがやってしまう!

「フィギュア数万円なんて高いじゃん!」て思う人も多いでしょうが、造形屋さん的には聞き捨てならない事実です。
私も「こりゃただでさえ危うい造形業界の今後を揺るがす革命かもしれない!」という危機感にも似た焦りと、「このMakerブームに乗っからなきゃ!」という期待感の入り混じった妙な感情を抱いていたこの1~2か月でした。

そんな中Maker Fair Tokyo 2012の開催を知って、ものづくりの最前線を実感するべく東京へ0泊2日の夜行バスツアーに行って来ました。(もう体中バキバキに痛くなりましたが(T_T))

それではイベントで面白かったものをいくつかご紹介します。

このイベントの目玉だった水道橋重工のKURATAS
油圧式のようですが、操縦桿にはipodがついてました!
クラタス1@日本科学未来館
クラタス2@日本科学未来館
クラタス3@日本科学未来館

会場をみわたすキリン
メイカーフェア2012にて”キリン“

羽ばたく飛行機。工作キットがあれば欲しかった。
リモコン操作で飛んでた!!
メイカーズフェア2012にて羽ばたく飛行機
メイカーズフェア2012にて羽ばたく飛行機2

ガシャガシャ会場内をお散歩
メイカーズフェア2012にてムカデロボ?

でっかいのが浮いてた
メイカーズフェア2012にてアドバルーン?

糸状のプラスチックを積層するタイプの3Dプリンター
メイカーズフェア2012にて3Dプリンター

ティッシュを巻き取ると人形が動く
メイカーズフェア2012にて自作ロボット

めっちゃゆっくりプチプチを潰す装置。出展者さんのキャラがおもろかった。
メイカーズフェア2012にてゆっくり動くロボット

藍染の手ぬぐい(手づくりものも少しだけどアリ)
メイカーズフェア2012にて手ぬぐい

刺繍って!!
メイカーズフェア2012にて基盤の刺繍1
メイカーズフェア2012にて基盤の刺繍2
メイカーズフェア2012にて基盤の刺繍3

でっかいiPadみたいなところに人形を置くと画面上のシューティングゲームが反応する
メイカーズフェア2012にて巨大ipad

溶かしたガラスに導線を絡めて塊にした装置の上でLEDの光がゆらいだり、風車が光に反応するアート作品。ほっとした。
メイカーズフェア2012にて光るアート作品

 

どういう仕掛けかスライムをつつくと音が出る。
メイカーズフェア2012にて音が出るスライム

以上、紹介しきれないし、全然説明できてないですが、ものすごい混雑ぶりで写真撮るのも一苦労。
説明を聞き取るにも人が多すぎてゆっくりみれませんでした。
その辺の熱狂ぶりや、詳しいレポートはMAKE:Japanさんのtwitterで紹介されてます。

私は3Dプリンター関連の出展が多いのかな?と思っていたのですが、実際はもっと広義でのモノづくりととらえた出展でした。
出展者、来場者はともに、(ロボコンなどに出てきそうな男子という私の勝手なイメージで)電子工学系の人が多いように見えました。

美大をドロップアウトして、造形の業界に飛び込んだ私にとっては「正直、凄いんだろうけど凄さが分かり辛い」ものが多かったです。
「あー、このメカむき出しの装置、うちの工房で可愛いキャラクターと組み合わせて作ったら、誰にでも伝わる面白さに変わるのにな~」なんて思いながら満員電車なみの人混みを泳いできました。

今後のMakersFaireは、メカニックの人達と造形の人達を繋いだり、それをまとめ上げるデザイナーやプロデューサー達の出会いの場として機能すればもっとエキサイティングで多様なイベントになるんじゃないかな?と思いました。
というかそうなったらもっと積極的に参加したい!

異業種との関わり。
それはまさに今、造形業界が抱える大きな問題です。
FRP造形も1970年代~90年代前半までは、面白いものを作れて儲かる美味しい業界だったらしいのですが、今や風前の灯・・・。
それでも私たちは、でっかい造形物を作れる喜び、有名なテーマパークの造形物を人知れず作り、沢山の人が目にする喜びを感じてこの仕事を続けています。

もう、従来の「ゼネコン→設計会社→造形屋→フリーの造形師」っていう流れでのお仕事は、絶対数が足りなくて、造形屋さん同士が仕事を取り合う形になってしまうのです。
しかも建築基準が厳しくなったり、予算の関係でオモロイものづくりができないことが多いです。
切磋琢磨はいいけど、蹴落とし合いは何も生み出さないと思うんです。
もっと異業種の人たちと職人さんとの交流の中から生まれた発想で、オモロイものが作れたらいいなという思いが、今回の東京見物を経てさらに強くなりました。

そのきっかけとして、渋谷のとあるデザイン会社さんの3Dプリンターのショウルームを拝見してきたのですが、その時の事は次回の日記に書きます。
この参加したい欲とでもいうべき感情、社会の風潮として感じるのですが皆さんはいかがですか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)