安心の品質技術解説|FRP造形の材料選定「難燃・耐久・デザイン」と価格最適化

【品質技術解説】安心の材料選定|FRP品質技術と価格安定化|樹脂とガラス繊維についての解説

【はじめに】お客様の設計意図を理解し「確実に、安全に、適正価格で」実現するための取組み

私たちは、2mから5mを超える大型造形を得意とするFRP造形専門の工房です。

設計事務所や施工会社様が大型造形を発注される際、「本当に安全か?」「デザインが正確に再現されるか?」「屋外で長期間もつか?」という心配と、「良いものを、より手頃な価格で提供してほしい」という、コストと品質の最適バランスへのニーズがあります。

それは「使っている材料の品質」と「その材料を使う弊社の技術的な判断」によって解消されます。そして、私たちの材料選定は、お客様の「価格に対する価値」を最大限に引き出すことを常に意識しています。

本記事では、弊社が採用する一部の造形素材と、製作した造形物がお客様のプロジェクトの成功にどう貢献するのかを、材料の選定理由を交えてご説明します。


I. 当社のFRP造形を支える主要材料:性能と価格の最適バランス

弊社が使用するFRP造形材料は、安全性、再現性、耐久性の確保を目的として選定されています。私たちは、高品質を維持しつつ、費用対効果の高い最適な材料を見極めて採用しています。

1.主なFRP材料と品質貢献の概要

品番   メーカー名      材料の種類名     主な特徴         表示可能な数値データ
ユピカ FLT225三菱ガス化学ネクスト難燃性不飽和ポリエステル樹脂(UPR)難燃性を持つ 、JG承認取得 JG承認(認定規格)
PC420九州塗料・ポリキュート積層用ポリエステル樹脂構造材積層、表面仕上げ用
P-715TNF
グレー
九州塗料・ポリキュート発泡スチロール用
プライマー樹脂
発泡スチロールのコーティング
ガラスマット #450(各種メーカー)ガラス繊維マット(高目付)高強度、積層時の剛性確保坪量:450 g/m²
ガラスマット #380(各種メーカー)ガラス繊維マット(低目付)柔軟性に優れる、高脱泡性坪量:380 g/m²

II. 難燃性樹脂の採用

【選定ポリシー】

難燃性樹脂の採用は、お客様(クライアント)から明確に難燃素材の使用指示があった場合、あるいは設置場所の法規制上、難燃性が必須である場合に対応いたします。通常使用する材料選定ポリシー(価格と性能の最適バランス)とは切り分けて、安全性を最優先する形で採用します。

1. 難燃性樹脂:ユピカ FLT-225(三菱ガス化学ネクスト)

材料の種類 主な特徴と安全性
難燃性不飽和ポリエステル樹脂(UPR)        [JG承認と消防法対応] 消防法上の防炎性能が必要な場合に採用します。日本舶用品検査協会(JG)の承認を取得しており(JG承認(認定規格)として表示可能)、高いレベルの難燃性と安全性を要求される環境下での使用を可能にします。クライアントの安全基準と法規適合を確実に支援します。

2. 「難燃」と建築基準法上の「不燃」の違い

お客様のプロジェクトで防火地域や準防火地域での使用を検討される場合、法律上の定義に注意が必要です。FRPは一般に、JIS(日本産業規格)で定める難燃性試験をクリアできても、建築基準法が定める「不燃材料」(20分間、燃焼や変形をしないこと)ではありません。FRPは高温下では燃焼する有機素材だからです。

弊社がFLT-225を採用するのは、「最大限の安全性を確保する実務的な努力」として、法規制が厳しい案件にも対応できる最高水準の難燃性を備えるためです。不燃素材の使用が必要な場合は、事前にお申し付けいただき、代替材料や工法を含め、最適な対応を検討いたします。


III. 意匠性の追求:表面仕上げとデザイン再現

デザイン意図通りの正確な寸法と完璧な表面の滑らかさ(意匠性)は、熟練の職人が丁寧に研磨することで実現します。

FRPの積層後、表面には必ずガラス繊維の目や小さな気泡(ピンホール)が残ります。この凹凸を解消しなければ、最終的な塗装の仕上がりは劣ってしまいます。

積層後に同じ樹脂に粘度を加えて作った樹脂パテや車両用のポリパテを活用します。このパテは研磨性に優れ、徹底的に研磨することで、最終的な塗装の下地として鏡のように滑らかな表面(平滑性)を実現します。この工程により、複雑なデザインの表面仕上げ工数も削減しつつ、お客様の求める意匠品質を最高レベルに引き上げます

IV. FRPハンドレイ工法の長期耐久性:確かな品質をかなえる技術

FRPの造形に最も広く用いられるハンドレイアップ工法は、適切な材料選定と熟練の製法が適用されれば、高い長期耐久性を発揮します。私たちは、お客様の造形物が長期間にわたりその美しさと機能を維持できるよう努めています。

1. 耐久性の科学的裏付け

  • 耐候性・耐食性: FRPは、樹脂とガラス繊維の組み合わせにより、優れた耐水性、耐薬品性、耐食性を発揮します。特に、不飽和ポリエステル樹脂は、鋼材や木材に比べて腐食や劣化に強く、屋外環境(紫外線、酸性雨、塩害など)においても高い抵抗力を持ちます。適切なゲルコートやトップコートを施すことで、表面の保護層が形成され、さらに長期的な耐候性が向上します。
  • 構造的安定性: ガラス繊維の高い引張強度と、それを固める樹脂の弾性・剛性が複合されることで、FRPは軽量ながら非常に高い強度を実現します。金属のような疲労破壊を起こしにくく、優れた衝撃吸収性を持つため、外部からの衝撃や振動にも強い安定した構造体を形成します。適切な設計と施工により、FRP造形物は設計寿命通りの長期性能を維持します。

ガラスマットの使い分け

   採用材料          主な目的      構造・デザインへの貢献
#450マット高強度と剛性の確保大規模造形の骨格となる部分に使用。高い目付量(めつけりょう)で、
迅速に設計上の強度を達成します。
#380マット柔軟性と高脱泡性急なカーブや凹凸部分に使用。柔軟性に優れ、抜群の曲面追従性を発揮します 。
#ロービングクロス強度をさらに上げるガラス繊維を数百本集束したストランドを数十本引き揃えたもので、
耐静電気性能、高含浸、高強度等の特性をもつ。

2. 当社の品質維持への貢献

私たちは、材料メーカーの技術情報に基づき、積層厚、ガラスマットの選定(#450/#380)、そして特にハンドレイ工法では、熟練の職人による徹底した脱泡作業が不可欠です。内部の空気(ボイド)を最小限に抑えることで、水分侵入による劣化や強度低下のリスクを排除し、造形物全体に均一な強度を発現させます。

さらに強度が必要な場合にはロービングクロスというガラス繊維を一方向に揃えた材料を使います。マットのみの使用時よりもFRPに厚みを持たせながら強度を増すことができます。

大手テーマパークにも通用する徹底した品質管理は、造形物の長期耐久性を根底から高め、お客様のライフサイクルコスト(LCC)、すなわち「設置後のメンテナンスや再施工にかかる費用」を削減することに繋がります。


V. 【まとめ】確かな材料選定が「安心」と「価値」を創造する

弊社の材料選定戦略は、お客様のプロジェクトの安全、意匠性、そして経済合理性を最優先するために、以下の価値を提供します。

  • 安全性: 指定基準に応じた難燃性対応により、公共空間での火災リスクを低減し、安全性を追求します。
  • 意匠性:樹脂の特性を活かした製法により表面平滑性と、デザインの忠実な再現性を実現します。
  • 耐久性: 熟練のハンドレイアップ技術による、適正なガラスマットと樹脂の含浸で、FRP造形物の長期耐久性を実現します。
  • 経済合理性: 性能と価格のバランスを最適化した材料選定により、お客様の「良いものをより手頃な価格で」というニーズに応え、長期的なライフサイクルコスト削減に貢献します。

弊社のFRP造形物は、設計者の意図を細部まで正確に具現化するとともに、構造物の長期的な品質維持安全性の確保、そしてライフサイクル全体における経済合理性を実現する、最適なソリューションを提供します。

技術的な詳細や、安全情報(MSDS等)については、メーカーより取り寄せ提供可能ですので、ぜひお問い合わせください。

  1. Q: 難燃の材料は使用していますか?

    A:難燃性樹脂は、クライアント様より指定のあった場合のみ使用しています。難燃材料は通常使用される樹脂とは価格もかわりますので、必要に応じてご相談ください。

  2. Q:不燃の造形物は製作できますか?

    A:不燃新素材での造形製作実績があります。詳細はHPでは公開しておりませんので個別のお問合せにてお知らせします。お問合せフォームより、「不燃材料を使った造形について」とお伝えください。

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